インプラント治療の誤解と間違いを
歯科医師が解説します
インプラントの実際と専門家としての見解
もしかすると、こんなイメージを持っていませんか?
インプラント手術は大がかりで大変そう、怖い、何度も手術をしないといけない、治療が終わるまで何年もかかりそう…、そんなイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、当院が提供しているインプラント治療は、決してそうではありません。
ここでは、大阪市西区のなかやま歯科における「インプラント治療の実際」を詳しくご紹介します。
インプラント治療は大がかりな治療ですよね?
今もなお、大半の方がこのように思っていらっしゃるかもしれません。しかし実際には、1本のインプラントを埋入する時間は30分程度、もっと早く埋入を終えるケースもあります(その後、仮歯をつくる時間が必要です)。患者さまの立場に立てば、おそらく親知らずの抜歯のほうがしんどいと思います。
インプラントは今や「普通の治療」であって、「特別な治療ではない」というのが、歯科医師としての感覚です。
インプラントを考えたいものの、手術が怖いです
ひとつの例として、次の3枚の写真をご覧ください。
【写真左】は、根っこが折れた歯、【写真中】は、折れた根っこを取り除き、残った穴を少し広げ、インプラントを埋入するスペースをつくったところ、【写真右】は、そこにインプラントを入れたところです。このように、1本の歯の抜歯を行い、そのままインプラントを埋入するケースでは、今や大掛かりな手術は必要ないケースが大半です。
それでも、どうしても怖い方もいらっしゃるかと思います。もちろん、麻酔科による鎮静方法を用いる方法もありますし、手術の1時間ほど前に、気分を抑える飲み薬を服用いただいてから治療を開始する方法もあります。
「怖いことは仕方がないこと」と諦めず、怖いことや不安なことは、治療前のカウンセリングの際に、すべて私たちに吐き出してください。患者さまの気持ちをしっかりと受け止め、患者さまの体だけでなく、心の負担をできる限り低減できるよう、二人三脚で治療を進めてまいります。
術後、痛みや腫れがありますよね?
例えばこの写真は、上に6本、下に4本のインプラントを埋入した手術翌日の写真です。実際、腫れなども確認できませんし、患者さまご自身も、痛みや出血、腫れはほとんどないとおっしゃっていました。当院のインプラント治療では、腫れや出血、痛みがほとんどないか、小さな程度に抑えられているケースが大半です。
それは当院が、できる限り小さな手術で、患者さまの体の負担をいかに小さくできるかにもこだわっているから。ぜひ本サイトの症例紹介ページでも、術後の痛みや腫れの少なさをご覧ください。
治療を終えるまで、1年くらいかかるんですか?
ほとんどのケースで、8週から10週、通院回数にすると4~5回で一連の治療が終了します。具体的な内訳は、インプラントオペ1回、術後管理1~2回(それぞれ約5分)、作成する歯の型取りで1回、作成したセラミックの歯の装着で1回です。すなわち、昨今のインプラント治療では、インプラントを埋入した後、セラミックの歯を造るまでの期間が最も長いことが大半です。(※症例により異なります。)
骨が足りないと、骨をつくらないといけないんですよね?
当院にセカンドオピニオンでいらっしゃる患者さまの中には、「他の歯科医院で骨を増やす手術が必要と言われた」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。
しかし当院では、骨を圧縮しながらインプラントを埋入する穴をつくる特殊なドリルや、エクストラワイド・ショートインプラントなどを活用することで、骨を増やさずに治療できるケースがほとんどです。この結果、手術回数を減らし、治療期間も短くすることが可能です。
インプラント手術をしたら、口から食事をとれないのでは?
当院では、即時荷重と呼ばれる、手術を行ったその日から噛めるインプラント治療を基本としています。そのため手術後すぐに、ご自身のお口で噛んで食事をしていただくことが可能です。(※症例によります。)
ただし、埋入したインプラントの箇所については、軟らかいものは噛んでいただいても結構ですが、術後6週間は固いもの(せんべい、ごぼう、たくあん、たこ、いか、固いお肉など)は噛まないように注意することが必要です。
時間をかけて考え、後悔しないようにするべきですよね?
歯科医師の立場からすると、これは半分正解で半分間違いだとお答えします。
納得できる歯科医院をしっかりと選ぶことは大切です。しかし、こちらのページでもご案内している通り、歯を失うと骨は次第に痩せ細り、時間が経てば経つほど、歯ぐきを切り開く術式を選ばざるを得ない可能性が高くなります。
治療期間を先送りすればするほど、患者さまの体の負担が増え、治療期間も治療費用も高くなります。だからこそ、できる限り早い段階で相談に行くことは大切だと考えます。
奥歯を抜歯した後は、インプラントがいいですよね?
奥歯は毎日の歯磨きでも歯ブラシが届きにくく、また歯ぎしりや食いしばりで力もかかることから、失ってしまう方も少なくありません。その中でも、前から7番目の歯(親知らずは8番目なので、親知らずが生えていない方は、一番奥の歯)を失った方については、当院ではインプラント治療をお勧めしないケースが多々あります。
なぜかと言えば、多くの場合、機能的にはその歯が無くても問題ない方が多いからです。咀嚼機能の面から見て、人間は歯が6番目まであれば十分噛めます。だから、そこにお金をかけることは勿体ないと思うのです。それよりも、患者さまのお口全体の状態を見渡して、他にもっと問題となりうる箇所が見受けられる場合には、7番目にインプラントをする費用を、将来そちらに充てるべく置いておくほうがきっと合理的です。
もう一つ、インプラントで再建した歯を再び失ってしまう可能性が高いことも理由です。例えば、歯ぎしりや食いしばりなどで歯に過大な力がかかる方の場合、歯根破折(根っこが折れる)によって7番目の歯を単独で失うケースが少なくありません。その場所にインプラントを入れてしっかり噛めるようになったとしても、また上の歯と下の歯が喧嘩をしてしまい、歯を失う結果に繋がりかねません。
確かに、インプラント治療は欠損の拡大を食い止める予防的機能もあります。しかしこのとおり、欠損したからといって何も考えずにインプラントをする考え方はよくありません。大切なことは、未来の見通しから、しっかりと優先順位を考えることなのです。1本の歯を見るのではなく、お口全体を見る。木を見て森を見ず、になってはいけない。それが、生涯を見据えたお口の治療の大原則です。
少し話は逸れますが、これに関連することとして、当院ではインプラント治療において、「プロブレムリスト」と「リスクリスト」という考え方を大切にしています。お口の中には、歯科医師が変えてあげられる「プロブレム(歯周病やむし歯の治療など)」と、変えてあげることができない「リスク(元々の噛む力の強さや、歯周病に対する個々人の免疫など)」があります。インプラント治療を行う際には、それらを患者さまにしっかりと説明し、いつまでもしっかりと噛める状態を二人三脚で追い求めていくことをお願いしています。
奥歯のインプラントの話から、次は定期検診のお話に広げてしまいますが、プロブレムやリスクをしっかりとご説明し、患者さまもご自身のプロブレムやリスクをしっかりとご理解くださると、たいてい定期検診にしっかりお越しくださいます。それは、定期検診に「行かされる」のではなく、「行くことが必要」と気づいてくださるからだと思います。
歯を失った箇所だけに注目して治療を進め、インプラント手術を行い、「はい、歯を再建しました」ではいけません。お口全体を見て、将来を先読みし、本当に必要なインプラント治療を、必要最低限に行う。これも大切なことだと考えています。
※よろしければ、ぜひ「プロブレムリスト」と「リスクリスト」に関する記事もご一読ください。
患者さまごとの治療を考えます
当院の多様な
インプラント症例を
ぜひご覧ください
当院では、インプラント治療を行う医院選びのご参考となるよう、様々なインプラント症例を紹介しています。大阪市でインプラント治療をご検討の方は、地下鉄四ツ橋駅・心斎橋駅直結のなかやま歯科まで、お気軽にご相談ください。
症例紹介- ●インプラント治療にともなう一般的なリスク・副作用
- ・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
- ・インプラントの埋入にともない、外科手術が必要となります。
- ・高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗鬆症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
- ・手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
- ・手術後、歯ぐき・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。また、顎・鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
- ・手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気などの副作用が現れることがあります。
- ・手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
- ・インプラントの耐用年数は、口腔内の環境(骨・歯ぐきの状態、噛み合わせ、歯磨きの技術、メンテナンスの受診頻度、喫煙の有無など)により異なります。
- ・毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎(歯ぐきの腫れや骨吸収など)を引き起こすことがあります。