インプラント治療の費用と時間を
最小限にするために
将来を見越したインプラント治療
患者さまの前で、私たちが考えていること
診療室内の限られた時間では、私たちのインプラント治療に対する考え方のすべてをお伝えできないことも少なくありません。少し長くなりますが、当院でのインプラント治療をご検討くださる患者さまは、本ページもぜひご一読いただけますようお願い申し上げます。
インプラントは「目的」ではなく「手段」です
なかやま歯科が何よりも大切と考えること、それは、患者さまの生涯を通じた健全な咀嚼(しっかりと噛み続けられること)を維持し、それを健康長寿に繋げることです。これをもう少し噛み砕いて言えば、みなさまがこれからも、そしていつまでも、ガチっと噛める状態で過ごしていただくことこそ大切だと考えています。
当院のインプラント治療は、患者さまの天然の歯と見分けがつかない程に美しく歯を再建します。しかし、私たちがインプラント治療を行う真の目的は、歯を元通りの状態にすることではなく、義足や義手の目的と同様、本来の機能、すなわちガチっと噛める状態を維持・回復することです。この目的を叶えてこそ、私たちは、本当に患者さまのお役に立てたと実感します。
患者さまがガチっと噛める状態を生涯維持する。私たちはこの目的を最上位に掲げ、その手段となる治療方法を、患者さまと一緒に考えながら治療を進めます。
「歯を残す」ことではなく、「噛めること」にこだわる
天然の歯を残すことを決して否定するつもりはありませんが、むし歯や歯周病によってほとんどの歯が大きなダメージを受けていると、歯を残す治療に何年もかかってしまうケースや、歯を残せたとしても、長く持たせることが難しいケースも少なくありません。
例えばこれが40歳の患者さまであれば、患者さまのご意向を踏まえ、すぐにインプラント治療を行うのではなく、患者さま自身の歯で噛める時間をできる限り引き延ばす治療を第一に考えるケースが数多くあります(当院には日本歯周病学会認定医も常勤しています)。しかし、例えばこれが60歳を超える患者さまであれば話は違います。
60歳を超えている今、そこから何年もかけて歯を残す治療を行っても、それが駄目になった時に、年齢を考えるとインプラント治療が難しいことがあります。いつまでも歯を「残すこと」にこだわるあまり、その先に「噛めない」状態が長く続いては元も子もありません。
繰り返しになりますが、大切なことは、ガチっと噛める状態をずっと維持することです。自分の口でしっかりと噛み、食事ができることで健康寿命を延ばすことこそが治療の本当の目的です。この目的を叶えるための手段の一つがインプラント治療だと考えています。
歯科治療にかかる「生涯費用」と
「生涯時間」を最小限にしたい
歯を残すことは美徳です。しかし、治療によってなんとか歯を残すことができたとしても、すぐに割れました・折れましたでは話になりません。本当に大切なことは、現在のお口のコンディションやご本人の骨格・噛む力(咬合力)の強さなどから、患者さまのお口が将来どうなっていくかを考え、「今、どうすることがよりよい方法であるか」を、歯科医師の立場からお伝えすることだと思います。
例えば、1本の歯が既に歯が割れており、すぐ対処せざるを得ない状態の時、実は、その歯だけではなく、周囲の歯も一緒にインプラントにしておいた方がいいケースもあるのです。突然そんなことを言われたら、まるで悪徳業者のように思われるかもしれませんが、決してそうではありません。
割れている歯が、前から5番目の歯だとしましょう。周囲の6番、7番の歯も既にグラグラしており、長く残すことは厳しい状態で、近々は残せたとしても、たくあんやスルメなどの硬いものは噛めない状態だとします。
この時、5番目の歯にインプラントを入れ、次に6番がダメになったら6番にインプラントを入れ、さらに7番がダメになったらインプラントを入れるとなれば、単純に考えるとそれぞれの歯に1本ずつ、合計3本のインプラントが必要になります。しかし、わずか数年のうちに、3本の歯を失う可能性が高く、3分のインプラント治療を行うのであれば、最初から5番と7番の2本にインプラントを打てば、6番のインプラントは打たなくてもよいのです。(上右図のような、インプラントブリッジという方法があります。)
大切なことは、これを見通したうえで患者さまに提案できるか、ということです。10本の歯がなくなったからと言って、10本のインプラントは必要ないのです。必要最小限の本数で、ガチっと噛むことができればよいのです。
それによって、費用も治療時間も抑えることができます。手術の回数ももちろん減ります。そして、グラグラの歯で不便を感じながら、限られたものだけを食べる生活からも脱却できます。
一本一本の歯の問題を順番に対処した結果、気が付けば、1歯につき1本のインプラントが入っている、それはお金も時間も勿体ないだけです。患者さまがこれを望むのであれば別ですが、治療のためのお金も時間も最大となってしまうこのような流れは、私たちが一番したくないパターンです。1歯につき1本のインプラントだからしっかり噛める、というものではありません。少ない本数でもしっかり噛めます。
もちろん私たちは、患者さまのご意向を最優先にします。しかし結果として、わずか数年後、より大きな治療費をお支払いになる患者さまの姿を何度も目にし、「やっぱり先生の言う通りになったわ」という患者さまの実際の声を数多く聞いている経験から、私たちの考える対処方法を、もっと強くお勧めしたほうがよいのかと悩むことも少なくありません。
事前の適切な検査、そしてこれまで何千ものケースを通じて蓄積してきた経験や知見から、歯を失った原因や傾向、この先考えられるリスクなどをしっかりとお伝えする。そうやって「今」だけでなく「将来」をしっかりと見据え、患者さまの立場に立って、ベストだと思う方法を考えて提案する。それがなかやま歯科のやり方です。
介護現場とインプラントのことも、
少しだけご紹介させてください
介護現場において、グラグラで噛めない歯ばかりが並んでいると、介助者はお口のメンテナンスに苦労します。その結果、口腔の清掃状態が好ましくない状況で、さらに加齢による唾液分泌の低下が重なり、むし歯のリスクは高い状態が続きます。
他方、インプラント治療を終えて要介護になった場合、歯周病のリスクはあるものの、むし歯になることは絶対にありません。このように、介護の現場まで考えると、早い段階でインプラントを選択することは、決して悪ではありません。「自分の歯を残したい」、その気持ちは痛いほどよくわかりますが、実際の要介護の現場では、インプラントのほうが扱いやすいことも事実です。
ただ、複雑な構造のインプラントでは、介助者では外すことが難しかったり、磨き方がわからないなどの問題が生じます。そこで当院では、AGCブリッジによるインプラントを提案しています。
AGCブリッジは完全固定式ではないので、術者がリムーバーという器具を用いることで比較的簡単に外すことができます。これにより、口腔内の衛生管理の容易さは飛躍的に高まります。
インプラントを埋入すれば、生涯を通じてインプラントと付き合うことになります。ここでも当院では、「今」だけを考えるのではなく、「もしも寝たきりになってしまった時にどうするか」といった「将来」まで見据え、患者さまにとってのよりよい治療を二人三脚で検討しています。
「噛めない状態」になることを、少しでも早く食い止める
歯科医療に携わる人にとっては常識ですが、若い方・高齢の方に関わらず、歯を1本失うと、その先噛めないお口になってしまうリスクが高くなります。例えば奥歯を1本失ったまま放置すると、次第に空いたスペースに周囲の歯が移動し、噛みにくくなります。その結果、噛むことが多くなった反対側の歯に負荷がかかり、反対側も歯を失うリスクが増加します。そうやって次第に奥歯が失われると、残った上下の前歯は下あごからの突き上げで過負荷がかかり、前歯を失い、やがて噛めないお口になってしまいます。
自分の歯で噛めなくなると、噛まなくても食べられる柔らかいものばかり食べるようになります。その結果、栄養バランスが崩れ、最終的に生活習慣病を引き起こすことに繋がるのです。
中には、「1本くらい歯がなくても大丈夫」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、今ご説明したような流れで、「噛めない状態」は来てしまうのです。だからこそ、とくに患者さまが若い場合には、失った歯の周囲の歯を削ることなく、失ったところだけで再建治療ができないかを考えます。そして、「健康な歯は削らないに超したことはない」と考えたとき、インプラントは、残る健康な歯を守り、「予防」していく有効な手段となるのです。
当院の多様な
インプラント症例を
ぜひご覧ください
当院では、インプラント治療を行う医院選びのご参考となるよう、様々なインプラント症例を紹介しています。大阪市でインプラント治療をご検討の方は、地下鉄四ツ橋駅・心斎橋駅直結のなかやま歯科まで、お気軽にご相談ください。
症例紹介- ●インプラント治療にともなう一般的なリスク・副作用
- ・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
- ・インプラントの埋入にともない、外科手術が必要となります。
- ・高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗鬆症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
- ・手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
- ・手術後、歯ぐき・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。また、顎・鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
- ・手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気などの副作用が現れることがあります。
- ・手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
- ・インプラントの耐用年数は、口腔内の環境(骨・歯ぐきの状態、噛み合わせ、歯磨きの技術、メンテナンスの受診頻度、喫煙の有無など)により異なります。
- ・毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎(歯ぐきの腫れや骨吸収など)を引き起こすことがあります。
- ●「日本歯周病学会認定医」について
- 「特定非営利活動法人 日本歯周病学会」は、歯周病学の臨床的経験を通して高度な歯周治療を行うために必要な基本的な知識と臨床技術を有する歯科医師に対して、「日本歯周病学会認定医」の資格を与えています。
- ○「日本歯周病学会認定医」資格取得の条件
- ・3年以上継続して学会正会員である。
- ・同学会の認めた研修施設に通算3年以上所属し、歯周病学に関する研修と臨床経験を有する。
- ・同学会学術大会における認定医・専門医教育講演を2回以上受講している。
- ・同学会が行う倫理に関する講演を1回以上受講している。
- ・認定医試験に合格している。
など - ○「日本歯周病学会認定医」資格保持の条件
- ・5年ごとに更新を行う。
- ・施行細則に定める所定の単位を修得する。
など
詳しくは、「特定非営利活動法人 日本歯周病学会認定医 制度規則」をご覧ください。